ラブアン法人設立:ビジネスのための最適な国際金融センター
優遇税制、高い機密性、簡単な設立プロセスで、グローバル市場での競争力強化を支援します。
税務・法律の基礎知識入門
国際税務や法律の基礎知識を分かりやすく解説します。条約と法律の関係から実務上の注意点まで、初心者の方でも理解できるように丁寧に説明していきます。
条約と法律の関係
各国は自国の法律を決める権利を持っています。他国と共通のルールを設ける場合は「条約」でカバーすることになります。しかし、条約では細かい内容を決めることが難しいため、国際的な税務やビジネススキームでは「どの国の法律を適用させるか」が最重要な論点となります。
この関係性を理解することが、国際ビジネスを行う上での大前提となります。例えば、海外に子会社を設立する際には、どの国の法律に従うことになるのかを考慮する必要があります。これが国際税務の基本的な考え方です。
税務を決めるもの
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税法
税務の内容を決めるのは「税法」と呼ばれる法律群です。日本では法人税法、所得税法、国税通則法などがこれにあたります。
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通達
法律が作ったスキーム内の実務的な内容を補うのが「通達」です。これは官僚が作成するものです。
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執行機関
通達を実行するのは国税庁や税理士です。彼らが実際の税務処理を担当します。
税法分野で必要な視点
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条約
どの国の法律を適用するかを決定します。国際税務の出発点です。
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法律(税法)
どのようなスキームにするか、法律のどの部分が適用されるかを検討します。
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会計
会計処理をどのように行うかを決めます。税務計算の基礎となります。
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税務実務
会計処理の結果出てきた数字をどう税務上処理するかを実行します。
この流れを逆にたどると、いわゆる「国際的なタックスプランニング」と呼ばれる分野になります。税務専門家はこの流れを理解して効率的な税務戦略を立案します。
Web3分野の実例(2021年度まで)
日本法人側でサービスの運用をしていますが、仮想通貨の発行主体は別法人でありシンガポール法に従っています。そのため、日本の賭博関連の法律の適用がされるかが曖昧なままでした。
Web3分野の実例(2022年度以降)
シンガポールの法改正(資金決済法関連が厳しくなった&賭博関連が厳しくなった)と、日本での業界団体の賭博関連のガイドラインのリリースにより、法人構成が変化しました。ガイドラインではNFTを用いたガチャは原則として賭博には当たらないことが明示されました。
節税・租税回避・脱税の違い
節税(租税回避)
適法であり、税を適法な範囲で減らすための企業努力です。法律の範囲内で税負担を軽減する行為であり、合法的な手段です。
脱税
違法な態様であると認定された方法により、税負担を不当に減らす行為です。法律に違反して税金を免れる行為であり、処罰の対象となります。
判断基準
両者の違いは「不当な態様・意図があるか」によります。この基準は非常に抽象的であるため、「いたちごっこ」と言われるのです。他国の法律に踏み込むことができないという事情も関係しています。
法人税の基本的な仕組み

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法人税の計算
法人税は基準となる利益により決まります

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利益の計算
利益 = 益金(売上) - 損金(支出)

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益金(売上)
売上なのでいじることが難しい領域です

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損金(支出)
決算前の予算消化や社宅の利用などが含まれます
益金は売上なのでいじることができません(売上をいじる手法の1つは「循環取引」ですが、不正会計になります)。損金も、不当な範囲で計上をすると、不正会計となり、「脱税」となる可能性があります。
キャピタルゲインとは
キャピタルゲインの定義
投資の結果、投資時の価値よりも投資後の価値が高まったことにより得られる利益の差分をいいます。例えば、1億円の投資をして2.3億円で手放した場合には、キャピタルゲインは1.3億円となります。
時間経過の必要性
キャピタルゲインは時間の経過が必要であり、1年度内で評価することができません。そのため、タイミングをコントロールできる特徴があります。
税制上の優遇
日本では経済を立て直すために投資を促す税制をとっていた背景から、キャピタルゲインは法令上有利に扱われています。
会計上の計上タイミング
会計上の計上タイミングは「実現したとき」とされており、「現金化されたタイミング」と考えるとわかりやすいです。この例では、5年後に売却したときに2.3億円(売却金額)- 1億円(投資金額)= 1.3億円の利益が実現し、税務上の益金に算入されます。
投資のようなキャピタルゲインの分野では、会計上の計上のタイミングはコントロール可能であるという特徴があります。
投資損失の計上例
投資による損失の場合、0.2億円(売却金額)- 1億円(投資金額)= -0.8億円となり、8,000万円の損失が発生します。この損失は売却タイミングで「実現」し、税務上0.8億円分が損金に算入されます。
いわゆる「減損処理」は「もう回収不可能でしょう」という判断がされて、ほぼ強制的に「損を実現している」状態になることを指します。
ソフトバンクGのスキーム(基本構造)

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ソフトバンクG(親会社)
子会社を管理する持株会社
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子会社①(法人①)
3,000億円の黒字
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子会社②(法人②)
5,000億円の赤字
ソフトバンクGは親会社として子会社を管理している会社です。会計上は、子会社①の3,000億円の黒字と子会社②の5,000億円の赤字を合わせて、2,000億円の赤字となります。税務上の扱いでは、3,000億円の益金と5,000億円の損金を計上し、−2,000億円の利益を基準額として法人税を計算します。
ソフトバンクGの節税スキーム
アームHD株の価値変動
SBGにアーム株の4分の3を差し出したことで、アームHDの企業価値は約3.3兆円から約8千億円に下落しました。
株式の移転
SBGは価値が下落したアームHDの株を、孫正義氏が設立したソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)に「現物出資」という名目で移しました。
損失の計上
高く買った株を安く渡すことで損失が発生し、SBGはこの損失を決算に計上して巨額の利益を相殺し、法人税を大幅に圧縮しました。
このスキームは現時点では日本国内の法人のみで行う分には適法とされていますが、海外子会社からの配当に関する規制など、以前よりも規制は強化されています。また、法律上明確に規制されていなくても、「不当な態様である」と判断されるリスクは残ります。
国際税務の流れ
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条約
どの国の法律を適用するかを決定します。これが国際税務の出発点となります。
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法律
どのようなスキームにするか、法律のどの部分が適用があるかを検討します。ビジネス構造の基盤を形成します。
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会計
会計処理をどのように行うかを決めます。適用される会計基準によって数字の出方が変わります。
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税務実務
会計処理の結果出てきた数字をどう税務上処理するかを実行します。これが最終的な税額に影響します。
国際税務と言われる分野は上記の流れに沿って検討されます。この流れを逆にたどると、いわゆる「国際的なタックスプランニング」という分野になります。
ペーパーカンパニーへの規制強化

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過去の状況
かつては活動実態がない場合でも、ペーパーカンパニーを設けることで適用法令をコントロールすることが可能でした。

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パナマ文書事件
2016年に発生したパナマ文書の流出により、世界中の政治家や企業のタックスヘイブン利用が明らかになりました。

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規制強化
パナマ文書事件以降、ペーパーカンパニーに対して条約面でも規制が導入されました。

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現在の状況
現在は「活動実態がある」と認められる方法での節税スキームが求められるようになっています。
法人維持に関する注意点
取締役の要件
取締役を現地に住まわせる必要があるパターンや、現地の国民を取締役に入れる必要があるパターンがあります。国によって要件が異なるため、事前に確認が必要です。
資本要件
資本を一定程度、国内資本(その国の会社の資本)を入れる必要がある場合があります。最低資本金額も国によって大きく異なります。
雇用義務
現地人を雇用する義務や、特定の外部専門家(会計・法律など)を現地から選出する義務がある場合があります。これらの要件を満たさないと税制優遇を受けられないことがあります。
現地の実務家
現地の実務家の協力は必須です。ただし、彼らもポジショントークにならざるを得ない部分もあるので、自分自身でも基本的な仕組みを理解することが重要です。
実務的な注意点
コンテンツの内容に関する注意点
イスラム系の国(ドバイなど)では、アダルトコンテンツや賭博系コンテンツをイスラム法が禁止していることを理由として、サーバーに対して検閲をかけることがあります。つまり、サーバーをドバイに置いた場合に、アダルトコンテンツや賭博系コンテンツを配信できなくなる可能性があります。
サーバーの場所に関する注意点
サーバーの場所について、以下の2点に注意が必要です:
  • サーバーの置き場所・契約先企業所在国の法律を適用されないか
  • コンテンツの配信を検閲されないか
銀行口座開設の難易度
国によっては銀行口座の開設の難易度が高い場合があります。事前に現地の金融機関の要件を確認しておくことが重要です。
ラブアン法人の仕組み
ラブアン法人の特徴
マレーシアのラブアン島に設立される法人で、一般のマレーシア法人が24%の法人税率であるのに対し、ラブアン法人は3%の優遇税率が適用されます。
活動実態の要件
3%の法人税メリットを得るためには、2名以上の雇用やオフィス賃貸でRM50,000/年の経費をラブアン島で使う必要があります。これにより「活動実態がある」と認められます。
外貨口座のみ
ラブアン法人は外貨口座のみ保有可能です。これはマレーシア国内向けビジネスが禁止されているためで、法的リスクを低減する工夫となっています。
事業活動の決定とライセンス
貿易
国際貿易事業を展開
コンサルティング
経営戦略や財務に関する助言
金融サービス
投資や資産管理サービス
貿易、コンサルティング、金融サービスなど幅広い業種で法人を設立できます。特定の業種には追加のライセンスが必要となる場合があります。
ラブアン法人設立のメリット
低税率
法人税率は3%または固定額RM20,000で、税負担を最小限に抑えます。
国際取引の自由度
外貨取引が自由で、資本移動の制限が少ないため、柔軟な資金運用が可能です。
高い機密性
企業情報の保護が強化されており、プライバシーを確保できます。
迅速な法人設立
設立手続きがシンプルで、短期間で法人を立ち上げることが可能です。
ラブアン法人の税制概要
ラブアン法人は、事業収益を最大化しつつ、財務の安定性を維持できます。
法律的な観点からの適用法令
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サービス提供者の所在地
法人の登記地や活動実態場所(主要なメンバーの住居など)が考慮されます。
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サービス提供地
サービス提供者たちのいる場所、サービス施設の存在する場所、サーバーの場所などが関係します。
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被害者の所在地
サービスを利用する人々の所在地も法適用の要素になります。
ラブアン法人用の税制度は「対マレーシアのビジネスは禁止」とすることで、被害者の所在地をマレーシア国内にすることを防いでいます。そのため、マレーシア政府は法律の建付としては、ラブアン法人が何か不祥事をしても、マレーシア国内に被害者を生む可能性を下げることができます。
ラブアン法人の法適用例
マレーシア国外向けサービスの場合、ネット上でマレーシアの居住者が利用した場合は「無断で入り込んでいる」とみなされます。適用法令は利用規約に従うか実態に即して判断されることが多いですが、マレーシア国外の法令が適用される可能性が高いです。
コンプライアンスと法人維持要件
年次監査
毎年の決算報告を提出する必要があります。
事業活動の実態維持
ラブアンに一定の経営拠点を持つことが求められる場合があります。
取締役・株主の管理
規制に準拠した取締役・株主の管理が必要です。
国際的なビジネスセンターとしての信頼性を維持するため、一定のコンプライアンス要件を遵守する必要があります。
法人設立の手順
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会社名の申請
ユニークな会社名を登録し、承認を得ます。
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事業活動の決定
ラブアンでの事業形態を選定します(貿易、コンサルティング、金融サービスなど)。
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登録資本金の設定
必要な資本金を決定します(最低資本金の要件なし)。
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法人口座の開設
企業活動を行うための銀行口座を開設します。
合同会社IntelligentBeastによるサポート
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最適なプラン提案
企業のニーズに応じた最適な法人設立プランを提案します。
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手続きの効率化
設立手続きの効率化をサポートします。
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専門家による支援
経験豊富な専門家が設立を支援します。
合同会社IntelligentBeastは、ラブアン法人設立をスムーズに進めるための支援を提供しています。
お問い合わせは以下のメールまでお願いいたします。